知念実希人医師VS鵜川和久氏 裁判について

概要

2023年1月にX(旧Twitter)上での鵜川氏の以下の投稿がきっかけとなった今回の裁判。

知念氏がこの死体検案書を「捏造である」と指摘した投稿(現在削除済み)に対して、名誉棄損として損害賠償請求訴訟を起こし、鵜川氏が勝訴したという内容である。

あまりに「雑」であるが、捏造とは言えない

X上の多くの反ワクアカウントからは、この判決を祝福し狂喜乱舞する声が上がっており、知念氏本人、およびワクチン接種を推進するアカウントへの批判の声が、一時的に勢いを増している。

まず、問題の死体検案書だが、結論から言うと「あまりにも雑であるが、捏造とは言えない」というのが、個人的な考えである。

死亡診断書にせよ死体検案書にせよ、普段はのたくった字をかくような医者でさえ、ミスや誤字には細心の注意を払い、決められた書式にのっとって、丁寧に書くというのが、当たり前のことではある。手書きで書くのが一般的ではあるのだが、施設によっては、電子カルテ上で作成し、印刷したものを交付しているところもある。

しかし、自身の経験上、このような「雑」すぎる死亡診断書(死体検案書)を書く医者が、一定数存在するのも事実である。なので、これを見て「捏造である」と断言することはできないと個人的には思う。知念氏を含め、口々に「捏造だ」とコメントを残したアカウントに関しては、少々迂闊であったように感じる。

当検案書の疑問点

①ミスが多すぎる

この書類。

実際に喪主・葬儀社が手にする完成型には程遠いと言わざるを得ない。

(1)誰でも目に付く部分として、「摂取」。これ自体は全くあり得なくはないただの凡ミスなのだが。

(2)空欄に斜線を引いていない

あとは発病から死亡までの期間の欄で、}で欄をまたいで記載することは、一般的ではないなど。

しかし上記の点に関しては、ただ「あまり丁寧でない医師が作成した」という印象を受けるのみで、それ以上の疑問が生まれることはないのかもしれない。

ただし、「人が亡くなっている」のに対して、雑な仕事で済ますという点については、全く感心はできないことは強調しておく。

②剖検医が作成した検案書である

この書類は死亡診断書ではなく「死体検案書」であり、解剖の有無欄には(有)と記載されている。

すなわち、書類を作成した医師は、この患者の治療に継続して関与してきて、最期を看取ったという「一般の臨床医」ではなく、死因が分からない(病院に運ばれた時点で病歴が分からない、もしくはすでに亡くなった状態だった)遺体を検案し、剖検を行った「法医学者」であることが見て取れる。

しかし、ここで当然の疑問が沸いてくるわけだが、

法医学者がこのような「丁寧でない」死体検案書を書くものだろうか?

大学時代、法医学の講義の中で、架空の症例に対する死亡診断書(死体検案書)を書くという課題があったのだが、書式や誤字脱字、空欄の処理、医学的な妥当性等々、非常に細かくチェックされた記憶がある。「一般の臨床医」に比べると「法医学者」のほうがはるかに死亡診断書(死体検案書)に対して情熱を注いでいることは言うまでもない。それなのになぜ、今回の剖検を担った「法医学者」がこのような死体検案書を作成してしまったのか、謎は深まるばかりというのが率直な感想である。

③作成した医師は公開に許諾しているのか?

鵜川氏はこの死体検案書を不特定多数が閲覧する旧Twitterに公開しているが、このことを死体検案書を作成した剖検医に許諾を得ているのかどうか、疑問である。

個人の特定につながる情報は隠されているとはいえ、非常にまれなケースを取り扱っている書面であるため、当事者からしたらすぐに気が付いてしまうように思う。

記載した剖検医からすると、他にも細かいミスもあるのだが、素人が見てもわかるようなあからさまな誤字が目立つ死体検案書を部外者の鵜川氏によって公衆の面前にさらされてしまったわけである。仮に事前に鵜川氏側から「死体検案書をインターネットで公開してもよいか」と聞かれていたのなら、少なくとも「待った」をかけるはずである。

まとめ:「捏造」は名誉棄損と認定された

私自身は、2023年に旧Twitter上で鵜川氏が診断書を公開していた当時の様子を記憶している。

上記の点で確かに不審な点が多いため、複数のアカウントが「捏造である」と断定するような返信をしていたのだが、私は、先述の通り、これだけで「捏造」と断定することはできないと、冷静に傍観していた。

裁判では実際の症例だったと裏をとったようであり、「捏造」であるという事実はなかったと認められた。

争点は「真実相当性があるかどうか(先述の書類の不備から、これは捏造ととられても致し方ない発信ではないのか?という趣旨の話)」におおむね絞られたようだが、結果としては知念氏側が不利に立たされることになった模様。

しかしながら、本件は死体検案書を「捏造」と断定した件についての誹謗中傷に対する裁判であり、ワクチン被害を訴える裁判ではないことに留意する必要がある。

まぷる氏の発言をそのまま借用させていただくが、コロナワクチンの有用性を発信し続けていた知念氏が、軽率にも「実際に医師が作成した可能性がある」死体検案書を「捏造」と断定した誹謗中傷裁判に敗訴したからといって、直ちに「コロナワクチンは有害だ」とはならない、という話である。

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